貿易実務 決済条件 L/C その1

I/V

■中国輸出入貿易の6大要素 商流 資金流 L/Cその1

 

◇決済条件 その1

貿易条件の次は決済条件について触れておこうと思います。

決済条件には決済の方法と支払い期日の2つの条件を含んでいます。

このところはネット、実用書などで情報が詳細に解説されており、

また中国に限ってイレギュラー或いはパワーオペレーションが

必要ということもなく、あえて筆者が力んで解説する必要はないと

思いますが、貿易実務では外せない項目ですので、

取り上げていきたいと思います。

中国・アジアのフォワーダー ミラマートレーディング

○決済方法

輸出入に伴う決済方法としては、現金、送金、

荷為替手形などの方法があり、ここでは現金を除く

輸出入の外貨管理局のもとで行われる送金と荷為替とに

ついて見ていくことにします。

 

現金 Cash

・現金(Cash on Derivery)ハンドキャリー等の

決済或いは代引きなどです。

非貿易に分類されます。

荷為替手形 Draft

・L/C(Letter of Credit)
・D/P Document against Payment
・D/A Document against Acceptance

 

送金 Remittance

・小切手送金(D/D Demand Draf)
・銀行送金(T/T Remittance)

 

L/C (Letter of Credit)信用状荷為替決済

簡単に言えば「銀行保証付き信用取引」といえるでしょうか。

売り手は貨物を船積みしたが代金回収ができないという

リスクが、買い手は代金を支払ったが貨物を受け取れないという

リスクがありますので、銀行が間に入り輸出入者双方の

リスクを排除したシステムがコレです。

具体的オペレーションとしては下記の通りです。

○L/C発行から決済までのオペレーション

1.契約書締結 = 輸出者/輸入者 輸出入条件取り決め

2.L/C発行 = 輸入者/発行銀行 ⇒ 買い取り銀行/輸出者

3.船積み = 貨物船積み 船社発行のオリジナルB/L受領

4.買い取り = 輸出者 買い取り銀行へB/Lと手形を持ち込み決済

5.支払い = 輸入者 発行銀行へ貨物代金を支払いB/L受領

6.貨物引き受け = 輸入者 B/Lを船社に持ちん込み貨物受領

 

1.まず輸入者は契約に基づき、船積み関係(積込港、仕向港、

分割船積み、積替え等)、決済関係(一覧払い、ユーザンス付き、

L/C有効期限等)の条件を記載した信用状を発行し、

コルレス関係のある輸出地の買い取り銀行に送ります。

 

2.輸出側は銀行経由で受領したL/Cをチェックし、

問題なければ貨物の船積みをします。

貨物代金は船積み後、船社から発行されるオリジナルB/L
と為替手形及びL/Cで要求されている他の書類と合わせて

銀行に提示することで貨物代金を受領することが出来ます。

 

3.輸入者側の銀行は買い取り銀行から送付されてきた

一連の書類を受領後、輸入者に通知。

輸入者は代金を支払って、はじめて貨物引き取りに必要な書類である

オリジナルB/Lを受領できます。

そのB/Lを船社に持ち込めば貨物と交換できるという訳です。

 

4.これで輸出者は船積みしさえすれば輸入者と

ネゴすることなく代金回収できますし、輸入者も代金と引き換えに

貨物を受領出来ますので、

双方ともリスクのない決済方法となります。

アライバル

○実質的には「前受け」「後受け」条件と同じ

このようにこの決済方法は「銀行保証付き」決済

となる為、発行銀行、買い取り銀行とも

そのリスクヘッジとして輸出入者に対してそれぞれ

相応の担保を求めてくることになります。

 

つまり輸入者側の銀行ではL/C発行の際、

輸入者に対してその相当金額を先に入れるか、

相応の預金を積み立て決済が終わるまで

引き出しできなくなるなど、

輸入者にとってはそれなりの保証を求められることになります。

 

また輸出者側の銀行でも輸出者に対し

L/C相応分の預金の積み立て或いは担保が

必要となります。

輸出者なのになぜと思いでしょうが、銀行側としては

発行銀行に決済を拒否されたり等の万一の

場合を考えて、

輸出者側にもそれ相応の担保を要求してくることになります。

もっとも信用力のある上場している企業などは別ですが。

 

もし担保等がない場合、或いはB/Lと為替を

銀行に持ち込んでも買い取りしてもらえない場合は、

L/C発行銀行から買い取り銀行に着金されてか
ら輸出者に振り込まれることになります。

 

このようにL/Cは輸入者側にとっては実質的には

「前受け」と、輸出者としては「後受け」

(割り引いて決済してもらえるところは除く)

と同じですが、銀行が仲介していることにより

輸出入双方とも代金を回収できない或いは貨物を受領出来ないという事態は回避することができる、安心して取り引きできる決済システムとなっています。

(転載元 上海百歩録貨運代理有限公司 ホームページ)

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