今回は貿易に係る用語解説をお届けしますね!
貿易に係る用語はとても特殊ですし、あやふやなことも多いです。ぜひ参考にしたいです
この記事ではわかりやすさを優先して解説をしていきます。
ざっくりと概要を知っていただくことで大枠のイメージをつかんでいきましょう。
さらに詳しく知りたいという方には貿易実務の関連書籍等がご参考になるのではないかと思います。
目次:
・通関・税関に関すること
・輸送関係(海・空共通)
・海上輸送関係
・航空輸送関係
通関・税関に関すること
■ 通関
一般的に、税関への一連の申告の手続きを意味する。輸出でも輸入でも同じように使われている。
■ 税関
財務省の地方分支局で函館、東京、横浜、名古屋、大阪、神戸、門司、長崎、沖縄に置かれている。例えば成田・羽田空港は一番近い東京税関の管轄エリアとなる。
輸出入貨物の取り締まり、税金の徴収、統計等を行う。
■ 関税
貨物を輸入する時に徴収される税金。自由貿易推進の観点から、むやみに高い税金をかけないことが前提になるが、自国の産物保護の目的で調整されることはある。WTO加盟国、経済連携協定締結国等、輸入相手国によって関税フリーや税率が引き下げられることがある。
■ 関税法
関税率や、輸出入禁制品等、手続きに関するルールを定めている。
■ 通関業法
通関業者の資格や、手続きについてルールを定めている。
例えば、通関業者は輸出入を行いたい者の「通関委任状」に基づいて通関業務を引き受けることなどが定められている。
■ 通関委任状
輸出入を行いたい者が通関を委任する業者へ宛てて発行するもの。初回取引のときに提出する。
税関への輸出入申告は、物品を分類するコードを用いて行いますが、物品の分類や納税金額の計算はとても複雑で素人が行うことはまず不可能といえます。この手続きを行うための専門家が通関士(国家資格)です
■ 外為法
外国為替及び外国貿易法の輸出貿易管理令、輸入貿易管理令は輸出入の規制に係るもので貿易業者は当然知っておかなければならない。
武器等の取引やワシントン条約に係る規制等を定めている。
例えば、北朝鮮へ貨物を輸出した人物が外為法違反で逮捕されるニュースもありましたよ
■ HSコード
世界で使われる貨物の分類コード。物品毎にコードが割り振られていて、コードを見れば、物品が何か判別できる。日本で申告するときの輸出統計品目表および輸入統計品目表の番号はこのHSコードと関連している。
■ 輸入統計品目表
輸入の品目番号は、HSコードよりも更に細分化されている。
■ NACCS
ナックスーNippon Automated Cargo and Port Consolidated System
税関、通関業者、航空会社、船会社等をネットワークでつなぎ輸出入申告、入出港手続き、検疫等をスムーズに行うシステム。
輸出入申告においては、インボイスに基づいて、専用のシステムへ申告内容を入力し手続きが行われる。
輸送関係(海・空共通)
■ フォワーダー
貨物利用運送事業者
自分たちでは輸送手段を持たず国際海上・航空輸送、通関、国内輸送をアレンジしている。
■ 乙仲
海上貨物の取り扱い業者のこと。航空貨物も扱っているとフォワーダーと呼ぶことが多いようであるが、この辺りは会社によってまちまちである可能性がある。
■ 通関業者
文字通り通関手続きを行う業者。
■ インコタームズ
貿易取引の条件。世界共通の理解で運用されていて、主にアルファベット3文字で表記する。
貿易条件とは、主に運賃とリスクの負担を売り主と買い主がどのように分担するかを定めるものです
例:FOBの場合
FOB=Free on Boardの略です。
売り主は船上で貨物を引き渡します。船上で運賃・リスク負担が売り主の手を離れます。(=船上でフリーになる、という理解)
では、FOB条件において海上輸送中の事故で貨物が破損してしまった場合、どちらが負担するのでしょうか。
答えは「買い主の負担」です。輸送中は、買い主のリスク負担範囲です。買い主の貨物保険で補償を受けることになります。
■ Shipper
シッパー、荷送人、貨物を出荷する人。
■ Consignee
コンサイニー、荷受人、貨物を受け取る人。
■ Notify Party
ノーティファイパーティ(ノーティファイと略すことが多い)
貨物到着の通知を受ける人。A/Nの送り先。(A/Nは後に記載あり)
■ クーリエ
小口の国際宅配便サービスをクーリエと呼ぶことが多い。
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詳しくは「ソックスの輸入実績を紹介|格安な国際宅配便を提供しています!」の記事もご参考ください。
■ ETD
イーティーディー(Estimated Time or Delivery)
出港予定日。海上でも航空でも使う。
■ ETA
イーティーエー(Estimated Time of Arrival)
到着予定日。海上でも航空でも使う。
■ EMS
最もスピーディな国際郵便サービス。サービス品質は相手国の郵便サービスによるため、確実に速く届けたい小口貨物にはあまり向いていないと考える人が多い。
海上輸送関係
■ B/L
Bill of Loading(ビーエル)
貨物を船へ積むときに船会社が発行する書類で有価証券。到着貨物の引き取りに必要となる。
■ Surrendered B/L
サレンダービーエル、サレンダードビーエル
船積みした側で費用の支払い等所定の手続き後、原本は現地で回収されて「Surrendered」というスタンプが押され、サレンダーB/Lとなる。荷受人はこのサレンダーB/Lのデータを入手し、船会社へ提示することで到着した貨物を引き取ることができる。
用語としては、B/Lがサレンダーされた(=到着貨物を引き取り可)、サレンダーされていない(=まだ到着貨物の引き取り不可)といった使われ方をしますよ
■ A/N
Arrival Notice(アライバルノーテイス、エーエヌ)
貨物到着を知らせる書類。運賃や諸費用の請求を兼ねている。
■ FCL
エフシーエル(Full Container Loading)
1つのコンテナを1つ荷主が貸切って貨物を積む。
■ LCL
エルシーエル(Less than Container)
1つのコンテナを複数の荷主でシェアして貨物を積む。混載業者がスペースを持っており、複数の荷主を集めて積んでいる。
留意点として、貨物のボリュームがある程度大きくなると、コンテナ1本未満の量であっても、フルコンテナの方が安くなることがありますよ。
ただし、ドレージの費用など輸送費以外のコストも含めて比較する必要があります
■ CY
シーワイ(Container Yard)
荷物を詰めたコンテナを搬入して手続きを行う場所。
■ CFS
シーエフエス(Container Freight Station)
LCLの貨物を集めて混載する場所。
■ CUT
カット日とも言う。搬入および手続きはカット日までに済ませておく必要がある。フルコンテナの場合はCYカット、LCLではCFSカットというように使われる。
(締切日としてClosingと言ったりもしています。)
■ ドレージ/ドレー
Drayage
コンテナを陸送すること。ドレー専用のトラックがある。
■ デバンニング
デバンと言うことが多い。コンテナから貨物を下ろすこと。
■ バンニング
貨物をコンテナへ積むこと。
■ リーファーコンテナ
冷蔵・冷凍コンテナのこと。赤道を越える海上輸送ではコンテナ内は高温多湿となるため温度管理の必要か貨物は電気の通る専用のコンテナが使われる。費用は高くなる。
航空輸送関係
■ AWB
Air Way Bill(エアウェイビル)
貨物を航空機へ搭載するときに航空会社が発行する。海上輸送と同じように「B/L」と呼ぶことが多い。有価証券ではない。
■ MAWB
Master Air Way Bill(マスターエアウェイビル)
ブッキングした混載業者(フォワーダー)に割り当てられるAWB番号。
■ HAWB
House Air Way Bill(ハウスエアウェイビル)
荷主毎に発行されるAWB。MAWBが親番号であるとすると、その子番号となる。
(フォワーダーが親として、複数の子(荷主)の貨物を集めて、航空機へ搭載しているから、このような番号の割り当てが行われています。House B/L(ハウスビーエル)と言われることもあります)
用語紹介は以上となります!
この他にも業務を行うなかでさまざまな用語に触れる機会があるかと思います。
ネットで調べられることもありますし、冒頭でお伝えしたように参考書籍がお役に立つこともあるかと思います。
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